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2019/09/04

アメリカ人の食生活とライフスタイル 7(グルテンフリー)

9月に入り、東京も少し暑さが和らいできました。

 

 

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アメリカ、特に東海岸や西海岸では、グルテンフリーの食生活を行っている人も多くいます。

 

 

グルテンとは、小麦・大麦などに含まれているタンパク質のことで、グルテンが含まれる小麦などの食品を取らない食事法のことを、グルテンフリーと言います。

 

 

自分が初めてグルテンフリーのことを知ったのは、10年ほど前のことですが、当時は、小麦をとらないグルテンフリーなんて、とても変わっているなという程度の認識でした。

 

 

小麦が含まれている食品はとても多く、パン類全般、パスタ、うどん、ラーメン、お好み焼きなどは勿論のこと、蕎麦(10割蕎麦以外は小麦が使われています)、醤油、コロッケ、クッキー、ケーキ、ビールなどにも含まれており、グルテンフリーの食生活を送ろうとすると、とても大変です。

 

 

ましてや、ハンバーガー、サンドイッチ、ピザが主食のアメリカでグルテンフリーを行うのは、とても困難なはずなのですが、アメリカの多くのスーパーでは今、グルテンフリーのパンやシリアル、お菓子などが販売されており、大きな需要があります。

 

 

欧米では、遺伝的にグルテンを身体が受け付けない体質の患者が1%程度いることが知られていますが、そうではない一般の人の間でも、グルテンフリーが広まりつつあるからです。

 

 

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グルテンフリーといえば、必ず紹介されるのが、全米・全英・全豪・全仏のテニス4大大会を16回制覇し、今日現在も世界ランキング1位のジョコビッチ選手の逸話です。

 

 

過去10年間にわたり圧倒的な成績を残してきたジョコビッチ選手ですが、食生活を変える前までは、どん底を経験したと語っています。

 

 

早くから世界大会で注目を浴びる実力を持っていたものの、体調を崩すことが多く、試合途中の一番大事な場面で原因不明のまま突然倒れてしまい、試合を棄権してしまうことを繰り返し、周囲からは、あいつは喘息だとか、調整不足なんだと、あざ笑われる状況。

 

 

それを見返すために、更にハードなトレーニングを重ね、メンタルの弱さが原因なのかもしれないと思ってヨガなどで思考の平静を保つことも心がけても、重要な試合の途中でやはり倒れてしまうことの繰り返し。

 

 

このため、世界ランキングのトップ10まで入ることは出来ても、その先の壁を越えることができなかったとのことです。

 

 

それが、小麦製品を取らない食事法を実践してから最初の3ヶ月で、体のキレがよくなり、神経が研ぎ澄まされ、かつてないほどの活力がみなぎるようになりました。

 

 

試合中に疲れを感じることも、息切れすることもなくなり、その後の活躍はご存知のとおりです。

 

 

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小麦をとらないことによってなぜジョコビッチ選手の体調が激変したのかですが、ジョコビッチ選手は小麦にアレルギー反応を示す体質で、小麦製品をとることによって、腸を始めとする体内に炎症を起こしていたとのことです。

 

 

体内の炎症は、病気として気付かれるほどのものではないために、ほとんどの場合、見過ごされるのですが、それがテニスの世界大会のような過酷な状況の中では、症状として現れていたようです。

 

 

これだけを聞けば、単にジョコビッチ選手が、小麦に対して過敏反応する特異な体質だったということだけのように思うかもしれませんが、実は、小麦に対してこのような反応を示す人はかなり多くいるようです。

 

 

このため、ジョコビッチ選手を真似て、小麦を食べるのをやめたところ、体調がよくなり疲れを感じにくくなったとの人が多く現れ、それによってグルテンフリーがアメリカでも広まりました。

 

 

本年2月にもこのブログで紹介した、アメリカンフットボールのナンバーワンプレイヤーのトム・ブレイディ選手も、グルテンフリーを実践しており、最もハードなスポーツ界の中で怪我をせずに40歳を超えても現役で、20代前半の選手を相手に勝利を収めて、今年も優勝を遂げました。

 

 

ここから先の話は、必ずしも科学的根拠がまだ示されている訳ではないのですが、ある特定の食品を過度に摂取し続けると、アレルギー反応を起こしやすくなる場合があるようです。

 

 

日本もあまり変わりのない状況ですが、特に欧米では、今、小麦製品はありとあらゆる加工食品の中に含まれており、それによって、小麦製品に過敏に反応する体質の人が増えているのではないかと思います。

 

 

特に小麦に含まれるグルテンが胃腸に炎症を起こす性質を有しており、少量であれば特段問題はないものの、多く摂取すると、それが症状として現れるのではないかと思います。

 

 

ただし、この体内の炎症によって現れる症状は、体がだるくなったり、疲れやすくなったりする、免疫力が落ちて花粉症などを発症しやすくなるといった程度の場合がほとんどなので、そのような炎症が起きていても、それに気付いていない人が大半です。

 

 

このため、本人はずっと気付かずにいたものの、勧められて小麦製品をとらないようにしたら、実際に体調がよくなったと感じたので、グルテンフリーを取り入れているという人が多くいます。(私もその一人です。)

 

 

アレルギーとまではいかなくても、小麦製品を取ると、その後、眠たくなるという人は、案外多いのではないでしょうか。

2019/08/27

アメリカ人の食生活とライフスタイル 6(ヴィーガンと動物愛護や地球環境保護)

前回の続きとなりますが、乳製品やはちみつを含めて動物性由来の食品を一切取らないヴィーガン(完全菜食主義)の方は、動物愛護や地球環境保護を理由とする方が多いようです。

 

 

地球上の動物(肉食動物)の多くは、他の動物を食べて生きており、動物を食べることは自然の摂理と言えます。

 

 

このため、自分が生きるために他の動物を殺すことは、可愛そうなことではない、と私も含めて多くの人は考えるのではないかと思います。

 

 

ヴィーガンの方の考え方も色々あると思いますが、一つは、自然界の動物は他の動物を殺すことでしか生きられないけれど、文明が発達して農業を行うことが出来る人間は、動物を殺さなくても生きていくことが出来るので、むやみに動物を殺すべきではないという考えです。

 

 

また、人が食べるために動物を殺すことを認める場合でも、現代の食肉生産のあり方に疑問を呈して、お肉を食べない方もいます。

 

 

自然界では、例えばライオンキングに出てくるライオンがハイエナを食べる場合、食べられるハイエナは、食べられる直前までは、自由に生きています。

 

 

しかしながら、現代の食肉生産では、牛肉の例で見れば、牛はほとんどの場合、せまい牛舎で身動きがとれずに一生を過ごします。

 

 

人に食べられることだけを目的として生かされている牛は、自然界の動物の生き方とは異なり、それを私たちの食生活が認めていることになります。

 

 

更に、動物愛護から人権の話に変わりますが、アメリカでは大量の牛肉を安く生産するために、牛をと殺して解体する食肉処理工場ではメキシコからの安い移民労働者が働いており、労働者の立場が弱いので、安い賃金で退職金も僅か、(腕を切ってしまうなどの)怪我をしても補償が出ずに解雇されることや、女性労働者へのセクハラなども問題視されています。

 

 

地球環境保護の観点では、世界的な人口増加による将来の食糧難が懸念される中で、肉食の場合、穀物をそのまま食べる場合と比べて、同じカロリーを摂取するのに7〜10倍の穀物が必要となるということは、有名な話です。

 

 

また、大量に牛を飼うことにより、牛の排泄物が土地を汚染するほか、牛のゲップがメタンガスを大気中に放出して地球温暖化に大きな影響を与えていることも指摘されています。

 

 

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食生活や動物愛護についての価値観には、様々な考え方があって然るべきであり、何が正しいと決めることはできません。

 

 

今回、ベジタリアンやヴィーガンの方の考え方を紹介しましたが、私自身もお肉を食べますし、(健康上の理由がある方を除いて、)一般の方にベジタリアンやヴィーガンになることを勧めている訳ではありません。

 

 

ただし、日本は海外と比べて、政府や企業への信頼度が高いために(その理由として、それだけ政府や企業が行う仕事のクオリティが一定レベル以上にあるということが言えると思いますが)、市場に出回っている食べ物に対して、(何かニュースで取り上げられることのない限り)何ら疑問を持たずに食べている方の数がとても多いと思います。

 

 

飢餓の状態の中では、とにかくお腹を満たす食べ物がほしいと考え、もう少し金銭的に余裕のある次の段階では、美味しい食べ物がほしいと考えます。

 

 

日本は戦後70年以上が経ち、経済発展を遂げて、今は成熟した社会になりつつあります。

 

 

そうした中で、食文化についても更に一歩進み、単に美味しいものを食べて満足するだけではなく、日々摂取する食べ物が健康に与える影響や、その食べ物がどこから来て、どのような生産方法で作られたものかについて、より多くの目を向ける段階に来ているのではないかと思います。

2019/08/21

アメリカ人の食生活とライフスタイル 5(ベジタリアンについて)

アメリカの東海岸や西海岸では、健康と食への意識が高い人が多くいますが、どのような食生活を取り入れているかは、人によって様々です。

 

 

アメリカやヨーロッパでは、特に若い人の間で、ベジタリアンやヴィーガンがとても増えています。

 

 

統計的なデータではありませんが、ヨーロッパの10代・20代の若者のヴィーガンの割合は2割程度いるのではないかと、先日、ヨーロッパ出身の若者から聞きました。

 

 

ベジタリアンは、お肉を食べない人の総称ですが、魚は食べる人、卵や乳製品は食べる人など、ベジタリアンの中でも何を食べて何を食べないかは人によって様々です。

 

 

ヴィーガンは、ベジタリアンの中でも最も厳格で、肉・乳製品・はちみつなどの動物性食品は一切食べないスタイルです。

 

 

なぜ、ベジタリアンやヴィーガンがの人が増えているのか(なぜ、お肉を食べないのか)についてですが、一つは健康面での理由です。

 

 

お肉を食べると血液がドロドロに、野菜を食べると血液がサラサラになることは科学的にも分かっており、お肉の食べ過ぎが身体によくないことは、一般的にも知られているところです。

 

 

しかし、日本では、お肉の食べ過ぎはよくないけれど、適量のお肉を食べることは、身体によいとも一般的に考えられています。

 

 

その理由としては、お肉にも様々な栄養素が含まれており、良質なタンパク質やアミノ酸に加えて、お肉に含まれている飽和脂肪酸も身体に必要な栄養素であるからとのことです。

 

 

ただ、そうしたお肉に含まれている栄養素を他の植物性の食品でとることができないかについては、議論が分かれます。

 

 

お肉推進派の人は、お肉に含まれている栄養素の一部はお肉でしかとることができないので、お肉も野菜も含めて色々な食品をバランスよく食べるのがよいと考えます。

 

 

一方で、ベジタリアンの人は、お肉に含まれている栄養素は他の食品(タンパク質であれば大豆など)で補うことができるので、お肉を食べることによるマイナスの効果を考えると、お肉をとらないほうがよいと考えています。

 

 

健康面からみて、お肉も含めてバランスのよい食事がよいのか、お肉を一切とらない方がよいのかを、科学的に証明することはなかなか難しいことです。お肉推進派も、特に肉業界の方がお肉の消費を増やすために、お肉が身体によいとのデータをたくさん集めています。

 

 

私自身の考えとしては、健康面から考えれば、お肉に含まれる栄養素は他の食品でとることができると考え、お肉を必ず食べる必要はないと思います。(特に、ガンなどの重い病気を食事で治した方に共通しているのは、肉などの動物性食品をとらないとのことです。)

 

 

ただし、病気になっていない一般の人は、適量であればお肉を食べても健康面で問題ないでしょうから、お肉は嗜好品として楽しめばよいとの考えで、私自身もお肉を普通に食べています。

 

 

一方で、アップル創業者のスティーブ・ジョブズは人生の大半をベジタリアンとして過ごしましたが、その理由としては、お肉を食べないことによって、健康によいだけでなく、精神がより研ぎ澄まされると考えていたようです。(ジョブズが禅の考えを重視していたのは有名です。)

 

 

もともと日本の伝統的な食生活では、ご飯と野菜、魚などを食べており、お肉を食べることはあまり多くありませんでした。

 

 

その日本で、今はお肉を食べることが推奨されており(厚生労働省や農林水産省はお肉も含めてバランスのよい食生活を推奨しています。)、もともと肉食文化であった欧米で、ベジタリアンの数が日本よりも多くいるのは、興味深いところです。

 

 

欧米でベジタリアンやヴィーガンがなぜ増えているのか(なぜ、お肉を食べないのか)のもう一つの理由は、動物愛護や地球環境保護などの価値観によるものです。

 

 

(続く)


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